【2025年10月】全国旅行業協会(ANTA)東京都支部の入会スケジュール

2025年9月19日

旅行業の開業を目指す多くの事業者様にとって、一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)への入会は、事業の安定性と信頼性を確保するための重要なステップです。

特に、高額な営業保証金の供託に代わり、その5分の1の金額で済む弁済業務保証金分担金制度を利用できる点は、初期投資を大幅に抑える上で極めて大きなメリットとなります 。

ANTA入会申請の真の姿

しかし、このANTAへの入会申請を、単なる業界団体への加入手続きと軽視してはなりません。

ANTAの入会審査は、その後の都道府県(または国)への旅行業登録申請の前段階に位置する、事実上の「一次審査」としての役割を担っています。ここで提出を求められる書類の精度や内容は、行政庁への提出書類とほぼ同等であり、その審査基準も同様に厳格です。申請書類にわずかな不備や矛盾があった場合、修正を求められるのではなく、申請そのものが受理されない、あるいは審査で不承認となるリスクを内包しています 。

2025年10月のANTA東京都支部 入会スケジュール

  • 2025年10月9日木曜日:入会申請書類に提出期限
  • 2025年10月20日月曜日:入会審査開催日
    ※入会申込者多数の場合は、10月21日火曜日に追加開催することあり
  • 2025年11月12日水曜日:入会承認予定日
  • 2025年11月19日月曜日:入会承認書受領予定日

入会審査には、代表者と旅行業務取扱管理者の両方の方の出席が必要になります。入会審査希望者が多い場合は、両日に入会審査が開催されることになりますが、どちらの日程になるかは、入会申請書類提出後に確定になります。

そのため、2025年10月の入会審査を受けることを希望される事業者様は、10月20日と21日の両日は他の予定を入れないようにしましょう。

旅行業協会は保証社員の互助組織

さらに、ANTAの本質を理解することが極めて重要です。ANTAは単なる業界団体ではなく、弁済業務保証金制度を基盤とした「保証社員の互助組織」です 。

これは、万が一会員の一社が倒産などで旅行者への債務を履行できなくなった場合、その損害を他の全会員が拠出した資金で補填するという、相互扶助の仕組みに基づいています 。

したがって、ANTAの入会審査の根底には、組織全体の財務的安定性と、旅行業界全体の健全な発展を守るという強い動機があります 。法令遵守の意識が低い、あるいは経営基盤が脆弱な事業者が一社でも紛れ込むことは、他の全会員にとって直接的なリスクとなりかねません。

このため、入会審査は「和を乱す可能性のある事業者」を厳格に排除し、組織の健全性を維持するための重要な防衛線として機能しているのです 。

この入会申請プロセスは、事業者の法令遵守意識や事業運営能力を測る最初の公式な試金石と言えます。

提出書類の品質は、事業者のプロフェッショナリズムを直接的に反映するものであり、ANTAはこれを通じて、旅行業界全体の質を担保する責任を負っています。

なぜなら、行政庁はANTAが発行する「承認書」を旅行業登録申請の必須書類としており、ANTAの審査を信頼しているからです 。ANTAが安易な審査で事業者を入会させれば、それは行政庁の信頼を損なうことに繋がります。

したがって、申請者はANTAへの入会申請を、最終的な行政手続きと同等の重要度と緊張感をもって臨む必要があります。

ANTA入会申請から事業開始までの流れ

ANTAへの入会申請から旅行業の営業開始までの道のりは、複数のステップが連動する複雑なプロセスです。特に、ANTAの入会審査が約2ヶ月に一度しか開催されないという事実は、全体のスケジュールに絶大な影響を及ぼします 。一つのミスが事業開始を数ヶ月単位で遅らせる「タイムラインの乗数効果」のリスクを理解することが不可欠です。

ステップ1:申請前準備

ANTAの書類提出期限に間に合わせるためには、それ以前に事業の基盤を固めておく必要があります。法人の設立登記、法人名義の銀行口座の開設、事業用の電話番号やFAX番号の確保など、基本的な事業インフラを整備しておくことが絶対条件です 。

ステップ2:ANTAへの書類提出

ANTA東京都支部を例に挙げると、2025年10月の入会審査を受けるためには、同年10月9日までにすべての書類を不備なく提出しなければなりません 。この期限を過ぎてしまうと、次の審査サイクル(この場合、12月開催予定)まで待つことになり、この時点で約2ヶ月の遅延が確定します。

ステップ3:ANTAの審査・面接

書類提出後、審査日までは待機期間となります。審査日には、事業者の代表者と選任された旅行業務取扱管理者の両名が出席必須の面接が行われます 。この面接で事業計画の妥当性や法令遵守体制が問われます。

ステップ4:「承認書」の受領

審査を無事に通過し、ANTA本部常任理事会で入会承認決議から1週間程度で行政庁への旅行業登録申請に必須となる「承認書」が発行されます。2025年10月の入会審査を受けた事業者様は、11月19日頃に入会承認書が届きます。この書類がなければ、次のステップに進むことはできません。

ステップ5:行政庁への旅行業登録申請

ANTAの「承認書」を添付し、主たる営業所の所在地を管轄する行政庁(東京都なら東京都庁)へ旅行業登録の申請を行います 。

ステップ6:行政庁の審査と登録通知

行政庁による審査が行われます。ここでも書類に不備があれば、標準処理期間内に登録が完了しない可能性があります 。

ステップ7:最終的な費用納付と営業開始

行政庁から登録通知を受領の際、行政庁への登録免許税(東京都の場合は90,000円)を納付します 。

その後、14日以内に、ANTAへの入会金・年会費・弁済業務保証金分担金の納付手続きをすべて完了して、ようやく営業を開始できます。

この一連の流れから明らかなように、最初のANTA申請で不備を指摘され、次の審査サイクルに回された場合、その2ヶ月の遅れが後続のすべてのプロセスに影響します。

もし、その遅延によって行政庁への申請が繁忙期(例:年度初めの4月など、東京都庁の窓口が非常に混雑する時期)にずれ込んでしまうと、申請予約が取れずにさらに数週間から1ヶ月の遅れが生じる可能性もあります

たった一つの書類ミスが、結果的に3ヶ月から4ヶ月もの事業開始の遅延を招き、その間の家賃や人件費などの固定費が無駄になり、計り知れない機会損失に繋がるのです。

ANTAの入会申請は単なる書類作成業務ではありません

ANTAへの入会申請は、単なる書類作成作業ではありません。それは、行政レベルの精度が求められる厳格な審査であり、事業開始までの全工程を左右する極めて重要なプロセスです。

成功の鍵は、東京都の審査基準を先取りした完璧な書類準備、遅延が許されないタイムラインの戦略的な管理です。この複雑でリスクの高い手続きを専門家の支援なしに進めることは、貴重な時間と資金を失うことに直結しかねません。

私達、行政書士は、単なる書類作成の代行者ではありません。

お客様が「一発承認」を勝ち取り、 手続き上の遅延を回避できるよう、初期の事業計画段階から最終的な営業開始まで、すべてのプロセスを管理・伴走する戦略的パートナーです。

旅行業という夢の実現に向けた最初の、そして最も重要な一歩を、行政書士に相談してみませんか。

まずはお電話・メールにて、旅行業起業や旅行業登録の手続きに関するお悩みをお聞かせください。

直接のコンサルティングに進む際は、都庁前オフィス、武蔵小杉オフィスまたはZoomにて承ります。

直接相談の後、旅行業登録や旅行会社設立の代行をご希望の方は、業務お申込後に着手いたします。

電話でのご相談

お電話でのご相談の際は、適切な担当者・回答内容となるよう、お名前、会社名、電話番号、相談されたい許認可の内容についてヒアリングさせていただいております。

※We are very sorry, but we are available only in Japanese language.

メールでのご相談  

返信まで時間がかかる場合がございますので、お急ぎの方は電話でご相談ください。

海外からメールを送信される方へ

※海外からメールフォームでお問い合わせいただく際に、「メッセージは送信されました」と表示されても、メールが届かないケースが多くなっています。
またqq.comのメールアドレスにはエラーで返信をお送りすることができません。
「自動返信メールが届かない」、「2営業日経過しても担当者から連絡が無い」といった場合には、大変お手数ですが、お電話でお問い合わせいただきますようお願いいたします。
※We are very sorry, but we are available only in Japanese language.

    お名前 (必須)

    メールアドレス (必須)

    電話番号(必須)

    メッセージ本文

    メールアドレスの入力間違いには、十分ご注意ください。

     

    ページトップへ戻る