旅行業登録を取得した旅行会社様で役員変更が生じた場合、具体的には
- 代表取締役が変更になった場合
- 代表権のない取締役や監査役が変更になった場合
上記2パターンにおいては、行政手続き等の対応が異なることをご存知でしょうか。
旅行業者登録事項変更届出の対象者は代表者のみ
旅行会社の代表者(代表取締役、代表社員)が変更になった場合、法務局での役員変更登記を行い、役員変更登記完了後に、登録行政庁へ登録事項の変更届出手続きを行います。
代表者の届出期限は、変更日から30日以内となっています。届出期限の起算点は「変更日」が起算点となっているのが注意です。法務局へ役員変更登記申請日や役員変更登記の完了日ではありません。あくまで、代表者が変更になった日が起算点となります。
一方、代表権のない取締役や監査役が変更になった場合は、登録行政庁への登録事項の変更届出は不要です。これは、旅行業法上、役員の変更は代表者のみが該当するからです。
つまり、代表権のない取締役や監査役が変更になった場合は、法務局での役員変更登記申請のみを行えばよいことになります。役員変更登記申請の方法は、お取引のある司法書士さんへご相談ください。
後任者は欠格事由に該当していませんか?
新たに旅行業者さんの役員に就任される方は旅行業法上の欠格事由に該当しないかを確認する必要があります。
万が一、欠格事由に該当する方が役員に就任してしまうと、取得している旅行業登録は、6か月以内の期間を定めて業務の全部もしくは一部の停止や旅行業が取り消される場合があります。
役員の欠格事由
欠格事由には、以下のようなものがあります。
- 旅行業法第19条の規定により旅行業若しくは旅行業者代理業の登録を取り消され、又は第37条の規定により旅行サービス手配業の登録を取り消され、その取消しの日から5年を経過していない者(当該登録を取り消された者が法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示の日前60日以内に当該法人の役員であった者で、当該取消しの日から5年を経過していないものを含む。)
- 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者
- 暴力団員等(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者をいう。)
- 申請前5年以内に旅行業務又は旅行サービス手配業務に関し不正な行為をした者
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号のいずれかに該当するもの
- 旅行業法第6条第1項第6号において規定する、心身の故障により旅行業、旅行業者代理業を適正に遂行することができない者として国土交通省令で定めるもの若しくは旅行業法第 26 条第 1 項第 3 号において規定する、心身の故障により旅行サービス手配業を適正に遂行することができない者として国土交通省令で定めるもの又は破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 暴力団員等がその事業活動を支配する者
届出期限は変更日から30日以内に
登録行政庁への代表者の変更届出は、変更後30日以内に届出を行うことになります(事後の届出です)。
登録行政庁への届出の前に、法務局への役員変更登記申請を完了している必要があります。役員変更手続きのスケジュール管理をしっかりやらないと、期限内に届出を終わらせることができないので、気を付けましょう。
万が一、30日以内に届出手続きが完了できない場合、登録行政庁によっては、始末書や理由書の提出を求められることがあります。
変更届提出の流れ
代表者が交代する場合、旅行業登録変更届提出までの流れは、おおむね以下のようになります。
- 代表者候補が申請拒否項目に該当していないかの確認
- 株主総会や取締役会の準備・開催(後任代表者の選任)
- 必要書類の準備
- 法務局への役員変更登記申請手続き(役員変更日から14日以内)
- 登録行政庁への変更届出手続き(役員変更日から30日以内)
- 旅行業協会への変更手続き
旅行業登録事項変更届出の際の必要書類
変更届の必要書類には、以下のようなものがあります。履歴事項全部証明書は、代表者を交代した後に法務局で取得する商業登記簿謄本のことです。
- 変更届出書第4号様式
- 変更届出添付書類(第5号様式)
- 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)
- 新任代表者が欠格事由に該当しない旨の宣誓書
書類の提出先と提出部数
代表者変更に関する旅行業者の登録事項変更届出手続きの書類提出先は、登録行政庁になります。
第2種旅行業、第3種旅行業、地域限定旅行業者は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県の観光担当課が書類提出先になります。第1種旅行業者は、主たる営業所の所在地を管轄する地方運輸局が書類提出先になります。
提出部数は、第2種旅行業、第3種旅行業、地域限定旅行業者は、正本1部と申請者控え1部の計2部を登録行政庁の都道府県へ提出します。第1種旅行業者は、正本1部、副本1部、申請者控え1部の計3部を地方運輸局へ提出します。
旅行業者様の代表者変更をサポート
行政書士法人シグマでは、旅行業登録後に代表者の変更手続きが発生した場合の行政手続きサポートするサービスを提供しております。
登録行政庁への変更届出手続きのサポートだけではなく、法務局への役員変更登記申請は、私どもの提携先の司法書士事務所をご紹介することでサポートします。
代表者が変更する(した)手続きにお困りの旅行会社様は、一度ご相談いただければと思います。
代表者変更サポートの内容
代表者変更サポートには、行政庁等や旅行業協会への変更届提出完了までに必要な、以下の内容が含まれています。
代表者変更に関するご相談 | ○ |
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必要書類の作成 | ○ |
役員変更登記申請手続きの取次ぎ(申請書作成・申請業務は提携司法書士) | ○ |
完了後の履歴事項全部証明書の取得 | ○ |
登録行政庁への変更届出手続き | ○ |
旅行業協会への変更手続き ※旅行業協会へ入会している場合 |
○ |
専門家への支払い報酬額
内容 | 基本報酬額(税込) |
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代表者変更登記申請(司法書士)※概算 | 33,000円~ |
旅行業登録の変更届(行政書士) | 33,000円 |
旅行業協会の変更届 | ※ |
合計 | 66,000円~ |
※登録行政庁への変更届をご依頼頂ければ、無料で対応致します。
報酬額の他に必要となる費用
代表者変更手続きの際、法務局へ納付する登録免許税、役員変更登記申請完了後に取得する履歴事項全部証明書の取得手数料、新任代表者の個人実印に係る印鑑証明書の取得手数料、申請手続きに要した郵送費・交通費などの実費が上記報酬額の他にかかります。
登録免許税 | 10,000円
(資本金の額が1億円超の会社は30,000円) |
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履歴事項全部証明書、印鑑証明書、郵送費、交通費等の実費 | 数千円程度 |
合計 | 1万数千円
(資本金の額が1億円超の会社は3万数千円) |
ご相談にご持参頂きたい物
下記の書類・資料をご持参頂けますと、初回の相談でより具体的にお話をすることができます。揃わない段階でのご相談も、もちろん承ることが可能です。
- 定款(コピーでも構いません)
- 履歴事項全部証明書(コピーでも構いません)
- 株主構成の分かる資料(株主名簿や決算書別表など)
- 旅行業登録通知書のコピー
- 旅行業登録申請書の副本