国内旅行業務取扱管理者試験の合格発表が10月26日に行われました。また、総合旅行業務取扱管理者試験の合格発表が12月13日に予定されております。
これらの管理者試験の合格発表を受けて、毎年、秋から初冬にかけては、旅行業開業準備に着手される方が多い季節です。
旅行業の開業準備を進められる方からは、旅行業登録の申請基準を満たしているだろうか、行政庁へどのような書類を提出するのだろうか、というご不安があるのではないでしょうか。
さらに、これから旅行業の開業準備を進めたら、「いつから事業をはじめられるのだろうか」というのも気がかりな点だと思います。
旅行業開業手続きの流れ
旅行業開業手続きの流れは、旅行業協会へ入会しない場合と入会する場合の2つに大きく分けることができます。さらに、旅行業協会へ入会する場合は、日本旅行業協会(JATA)へ入会する場合と全国旅行業協会(ANTA)へ入会する場合とでは、どちらの旅行業協会へ入会するかによって、手続きの流れや所要期間が違っています。
一般的には、旅行業開業準備に着手してから開業できる期間が最も短いのは、旅行業協会に入会しないで営業保証金を法務局へ供託する方法です。その次に短いのは日本旅行業協会へ入会して旅行業を開業する方法、開業準備期間が最も長いのは全国旅行業協会(ANTA)へ入会して旅行業を開業する方法です。
全国旅行業協会へ入会しての旅行業開業
全国旅行業協会(ANTA)へ入会して旅行業を開業する場合、開業までの準備期間が長期化してしまう理由は2つあります。1つ目は入会審査が概ね2か月に一回しか行われていない点、2つ目は入会審査後に全国旅行業協会本部の常任理事会において入会承認手続きが行われている点が影響しています。
ANTA東京都支部の入会審査スケジュール(2022年12月)
例えば、2022年12月の全国旅行業協会(ANTA)東京都支部の入会審査スケジュールは次のようになっています。
- 入会書類の提出期限 2022年12月14日(水)まで
- 入会審査日 2022年12月21日(水)
- 協会本部の常任理事会 2023年1月11日(水)
※入会申込者が多数の場合は、12月23日(金)に入会審査を追加開催する場合があります(予備日)。
この2022年12月の入会審査スケジュールで旅行業開業準備を進めて、無事に入会承認が下りたと仮定した場合、東京都への旅行業登録申請書の提出は最短で、2023年1月16日の週に行うことになると思います。
そして、1月16日の週に旅行業登録申請書類を東京都へ提出し受理となると、その後は東京都での書類審査期間となります。この書類審査は通常1か月程度の期間を要します。2022年12月のANTA東京都支部の入会審査を行った場合、2023年2月16日(木)が最短での旅行業登録取得日となります。
旅行業登録取得日から2週間以内に、弁済業務保証金分担金、旅行業協会の入会金・年会費を振込手続きを行い、弁済業務保証金分担金の納付完了届出を東京都へ提出したら旅行事業を開始することができます。
従って、2022年12月の全国旅行業協会東京都支部の入会審査スケジュールで旅行業開業準備を進めた場合、2月下旬が最短の旅行業開業時期になるのです。2023年4月から旅行業を開業されたい方で、全国旅行業協会への入会を希望される場合は、2022年12月の入会審査への申し込みをご検討ください。
2022年12月の入会審査に間に合わない場合で、どうしても2023年4月から旅行業を開業するための方法は2つあります。1つ目は旅行業協会は日本旅行業協会(JATA)を選択する方法、2つ目は旅行業協会へは入会しないで旅行業登録を取得する方法、のいずれかになります。
旅行業開業までのスケジュール管理は慎重に
全国旅行業協会への入会審査を受けるためには、入会書類提出時までに旅行業登録要件を満たしていなければなりません。
旅行業務取扱管理者の確保、基準資産額の計算、営業所の準備などを行い、あらたに旅行事業を行う会社を設立する際には、会社設立手続きを終えて、会社名義の銀行口座開設手続きまでを完了させる必要があります。
全国旅行業協会の入会審査は2か月に1回
大事なことなのでもう一度言います。
全国旅行業協会の入会審査は概ね2か月に1回に間隔で実施されています。
直近の入会審査を登録要件や書類不備で受けられない場合は、2か月後まで待たざるえません。全国旅行業協会へ入会して旅行業を開業されたい方は、スケジュール管理にはくれぐれもご注意ください。