観光法務の専門家集団、行政書士法人シグマです。
全国旅行業協会(ANTA)東京都支部の次回入会審査スケジュールが公表されました。
旅行業の主たる営業所を東京都内に置いて旅行業の新規登録を目指される事業者様で、全国旅行業協会(ANTA)を選ばれる方は、このスケジュールにあわせて準備を進めていくことになります。
2021年10月の入会スケジュール
- 入会書類の提出期限 2021年10月20日(水)
- 入会審査日 2021年10月27日(水)
2021年10月の入会審査を受けた場合の営業開始時期は?
旅行業協会へ入会されて旅行業登録申請を進められる事業者様からよくご質問頂くのが、こちらの営業開始時期です。
どうしても旅行業協会へ入会される場合は、準備期間が長くなってしまいます。
10月27日に入会審査を受けて頂くと、その後に開催される理事会において、入会を承認するかどうかの決議が行われます。理事会で入会が承認されると入会承諾書が発行されますが、この入会承諾書が東京都への旅行業登録申請の際の添付書類となります。
入会審査を通過された事業者様に入会承諾書が届くのは、11月24日前後になる見込みです。
そして、11月29日で始まる週のどこかで、東京都への旅行業登録申請書類を提出し受理となり、東京都内の審査が円滑に進んだと仮定すると、恐らく2022年1月初旬に旅行業登録を取得することができます。
旅行業登録取得後に、旅行業協会から指定された銀行口座へ、弁済業務保証金分担君、旅行業協会の入会金・年会費を納付手続きを行います。
旅行業の営業開始は、弁済業務保証金分担金を納付したことを東京都へ報告した後になりますので、最短でこの手続きを進めた場合、2022年1月中旬頃が営業開始時期になると私どもは考えております。
営業開始時期を早めたい場合は
全国旅行業協会(ANTA)への入会を選択して、新規の旅行業登録取得を目指した場合、旅行業登録の取得準備を開始してから営業開始までの日数がかかってしまいます。入会審査が2ヶ月毎に実施されているのが大きな理由です。
「来年1月の営業開始まで待てない!」という事業者様はどのような方法を採ればよいでしょうか。
JATAの選択
一つの方法としては、旅行業協会の入会を日本旅行業協会(JATA)を選ぶという方法があります。これはJATAへの入会審査は随時行われており、その審査も通常2週間程度で完了するからです。
先に旅行業登録の申請を進める
さらに別の方法としては、財務的に余裕がある事業者様は、先に旅行業登録申請を進められて、旅行業の登録取得後にANTAへ入会する方法を採ること検討されてみてはいかがでしょうか。申請準備期間を含めると、順調に手続きが進行した場合、1.5~2ヶ月程度の期間が旅行業登録に必要な期間になります。
とはいえ、旅行業登録取得後にANTAへ入会する場合、営業開始を早くすることができますが、デメリットもいくつかあります。
大きなデメリットは、ANTAへの入会承認後、法務局へ供託した営業保証金の取戻しが完了するまで8カ月程度の期間を要します。
この期間は、ANTAへの弁済業務保証金分担金と営業保証金の両方を、旅行業法の制度上、重複して納付せざるを得ないため、社内から大きな金額がキャッシュアウトしている状況になります。
終わりに
以上、登録要件が整っていれば、営業開始時期を早める選択肢があることをご紹介いたしました。選択肢によってはデメリットやリスクもあるため、専門家に相談の上、慎重に検討されることをお勧めいたします。
自社で手続きを進められるのに不安だなと感じられる方は、旅行業登録申請を専門としている行政書士へ登録申請手続きの代行を依頼するのも一つの解決策だと思います。