株式会社を設立して旅行業登録申請を行う場合(つまり新たに旅行会社を設立する場合)、最初に行う手続きが「定款認証」になります。
定款は、会社の運営に関するルールブックと言われており、旅行会社を設立する際には、その旅行会社のルールブックとなる定款を作成するところから始まります。
定款を作成する際は、会社法に準拠するのは当然ですが、旅行業登録申請の要件を満たした定款を作成しないと、後々面倒なことになります。
- 商号
- 事業目的
- 本店所在地
- 役員
- 決算期
特に上記5つの項目を決定するときは、行政書士法人シグマではお客様と綿密に打合せを行っております。
そして、定款は作成しただけでは効力を生じません。定款の効力を発生させる手続きが、公証人による認証になります。
公証人は、公証役場で執務しています。公証役場はあまり馴染みのない官公庁かもしれませんが全国各地にあり、株式会社の定款認証は、本店所在地を管轄する法務局に所属する公証役場において行います。
東京都内に旅行会社の本店所在地を置く場合は東京都内にある公証役場にて、神奈川県に旅行会社の本店所在地を置く場合は神奈川県内にある公証役場にて、定款認証を受けることができます。
今回ご依頼頂いたお客様は、神奈川県内に旅行会社の本店所在地を置かれる株式会社さんのため、武蔵小杉オフィスから一番近い公証役場の溝ノ口公証役場さんに定款認証業務をお願い致しました。
溝ノ口公証役場さんは、いつも仕事が丁寧で早いので、とても助かっております。
溝ノ口公証役場さんは東急田園都市線の高津駅から徒歩4分の場所にあります。JR南武線の武蔵溝ノ口駅からでも徒歩10分でアクセスできるため、私どもは、溝ノ口駅から歩くことが多いです。駐車場もありますので、車でも行きやすい公証役場さんと言えるでしょう。
公証役場に到着すると、書記の方に、発起人の実印が捺印された委任状、発起人の印鑑証明書や履歴事項全部証明書などをお渡しして、確認して頂きます。
定款の内容は、公証役場へ伺う前に、公証人にご確認頂いた上で「内容OK」のご連絡を頂いているので、書類の確認といっても短時間で完了します。持参書類の確認が終わりますと、認証済みの定款データが記録されたCD-ROMと定款謄本を受領し、定款認証費用をお支払したら定款認証業務自体は終了です。
(写真はお客様情報部分を白く加工しています)
定款認証の方法は、紙(書面)ベースで認証を受ける方法と、インターネットと電子証明を使用した電子認証の方法の2つがありますが、シグマでは「電子認証」の方法で行っています。
電子認証の方法で行うメリットは、電子定款には4万円分の収入印紙を貼り付ける義務が生じないため、定款認証費用を4万円も節約できるでしょうか。
旅行会社設立からではなく旅行業登録の手続きを単体で代行させていただくとき、ごくごく稀に紙ベースで認証を受けた定款を拝見することはありますが、今の主流は電子定款認証です。
従来の紙ベースの定款により認証を受けることもできますが、過去に何百社の定款認証を代行してきましたが、紙ベースの方法で定款認証を行ったことがありません。(前述のとおり、紙ベースだと印紙代が余計なコストとして発生してしまうからです)
今回の定款認証手続きもつつがなく完了したので、公証役場を出たらすぐに発起人にご連絡を差し上げて資本金の払込みをお願いしました。
そして発起人の資本金の払込みが完了すれば、司法書士さんの出番です。司法書士さんが本店所在地を管轄する法務局へ設立登記申請を行えば、めでたく株式会社としての旅行会社が誕生します。