旅行に関する企画・手配を行ういわゆるランドオペレーターの不健全な業務実態に起因して旅行の安全や取引の公正が脅かされる事案が発生しています。
ランドオペレーターの業務の適正化を図ることで、旅行商品の質の確保や旅行者の保護を図ること急務となり、ランドオペレーターの登録制度を創設するために、「通訳案内士法及び旅行業法の一部を改正する法律」が平成29年6月2日に公布されました。
この法律の施行期日が平成30年1月4日に決まりましたので、旅行サービス手配業の法規制の概要についてお伝えいたします。
※平成29年8月31日時点に判明している情報で本ページを執筆しています。
旅行サービス手配業の法規制の対象者
旅行サービス手配業を営もうとする者
登録要件
役員及び旅行サービス手配業務取扱管理者は登録拒否事由に該当しないこと。
登録の拒否
- 旅行業法第19条の規定により旅行業又は旅行業者代理業の登録を取り消され、又は第37条の規定により旅行サービス手配業の登録を取り消され、その取消の日から5年を経過していない者。
(当該登録を取り消されたものが法人である場合においては、当該取消しに係る聴聞の期日及び場所の公示前60日以内に当該法人役員であったもので、当該取消しの日から5年を経過していないものを含む。) - 禁錮以上の刑に処され、又は旅行業法の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過していない者。
- 暴力団員等
- 申請前5年以内に旅行業務又は旅行サービス手配業務に関し不正な行為をした者。
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が全三号又は第六号前各号のいずれかに該当するもの。
- 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの破産手続開始の決定をうけて復権を得ない者。
- 暴力団員等がその事業活動を支配する者。
営業所ごとに、1人以上の旅行サービス手配業取扱管理者を選任すること。
(他の営業所の旅行サービス手配業務取扱管理者との兼任は不可)
旅行サービス手配業務取扱管理者
当該営業所における旅行サービス手配業務に関し、その取引に係る取引条件の明確性、旅行に関するサービスの提供の確実性その他取引の公正、旅行の安全及び旅行者の利便を確保するため必要な国土交通省令で定める事項についての管理及び事務を行う者。
旅行サービス手配業務取扱管理者として選任できる者
- 登録研修機関が実施する旅行サービス手配業務取扱管理者研修課程の修了者
- 総合旅行業務取扱管理者試験合格者
- 国内旅行業務取扱管理者試験合格者(本邦内の旅行のみの旅行サービス手配業務の取扱)
※旅行サービス手配業者は、旅行サービス手配業務取扱管理者について、3年以上5年以内において国土交通省令で定める期間ごとに、旅行サービス手配業務に関する法令、旅程管理その他の旅行サービス手配業務取扱管理者の職務に関し必要な知識及び能力の向上を図るため、登録研修機関が実施する研修を受けさせなければならない。
※登録研修機関は平成30年1月4日の改正法施行後に決定する予定。
旅行サービス手配業務取扱管理者選任は、改正法施行後6カ月の設置猶予あり。
営業所があること。
主たる営業所の所在地の都道府県へ申請。
※申請書には、事業の計画その他の国土交通省令で定める事項を記載した書類を添付する。
その他
登録の変更届出
旅行サービス手配業者は、登録事項等に変更があった場合には、変更の日から30日以内に国土交通省令で定める書類を添付して、届出なければならない。
書面の交付
旅行サービス手配業者は、旅行サービス手配業務に関し取引をする者と旅行サービス手配業務に関し契約を締結したときは、国土交通省令で定める場合を除き、遅滞なく、当該取引をするものに対し、旅行者に提供すべき旅行に関するサービスの内容その他の国土交通省令で定める事項を記載した書面の交付をしなければならない。
※平成29年8月31日時点の情報にて、本ページを執筆しています。