- 主たる営業所を東京都内へ移転したいが、どのような手続きが必要になるのだろうか
- 登録行政庁を東京都へ変更する場合の費用はどのくらいかかるのだろうか
- 旅行業の営業を継続しながら、移転手続きはできるのだろうか
- 旅行業では東京都に事前確認しなければならない事項があると聞いたが・・・
営業所の移転をご予定の旅行業者様の中には、上のようなお悩みをお抱えの方も多いのではないでしょうか。
第2種旅行業、第3種旅行業、地域限定旅行業は、主たる営業所がある都道府県が登録行政庁になります。(第1種旅行業は管轄行政庁が異なるため、ここではいったん省略します)
(東京都庁)
たとえば、東京都中央区に主たる営業所がある旅行業者様であれば、登録行政庁は東京都、神奈川県川崎市に主たる営業所がある旅行業者様であれば、神奈川県が登録行政庁になります。
旅行業務の拡大等による主たる事務所・本店の移転
事業規模の拡大や業務の効率化を図るために、東京都以外にあった主たる営業所を、東京都内に移転する場合、移転日から30日以内に、主たる営業所の所在地変更手続きを行わなければなりません。
移転後の登録行政庁が提出窓口
このとき、主たる所在地の変更手続きに関する書類の提出先は、従前の登録行政庁ではなく、移転後の登録行政庁になります。
例えば、大阪府知事登録の第3種旅行業者さんが東京都内へ主たる営業所を移転した場合は、登録行政庁は大阪府から東京都に変更になるため、東京都に対して主たる営業所の所在地変更手続きを行うことになります。
登記簿上の本店所在地を合わせて移転するとき
登記簿上の本店所在地と旅行業の主たる営業所が同一場所で、主たる営業所とともに登記簿上の本店の移転手続きを行う場合は、東京都への主たる営業所の所在地変更手続きとあわせて、法務局での本店移転登記手続きも必要になります。
営業は継続しながら、移転手続きを行える
道府県から東京都への主たる営業所の移転した場合、従前の登録番号は廃止になってしまい、東京都において新しい登録番号が付与されます。
東京都から新しい登録番号が付与されるまでは1か月程度の審査期間を要しますが、この期間は移転前の登録番号が有効ですので、旅行業自体は営業することができます。
つまり営業を継続しながら、主たる営業所の移転手続きをすることが可能なのです。
東京都へ移転手続きを行う前の事前チェック
東京都へ主たる営業所を移転することが決まりましたら、移転先の事務所を契約する前に、東京都へ類似商号の確認を行いましょう。
東京都では、すでに東京都において旅行業登録を受けている旅行業者様と類似商号に該当する旅行業者様の営業所移転を認めていません。従いまして、御社の商号が東京都で既に登録している旅行業者様の商号と類似商号に該当しないかを事前調査する必要があります。
なお、類似商号の調査は東京都に電話等で行うことができますが、当法人に移転手続きをご依頼頂いた場合は、類似調査はこちらで行います。
現在の状況と届出上の情報を事前に合致させる
また、移転前の登録行政庁に届出ている登録事項は、最新の状況になっていない場合は、移転前に変更届出書を提出することで、最新の内容にしておきましょう。
主たる営業所移転後の届出は、新登録行政庁である東京都に対して行いますが、東京都は審査の過程で、旧登録行政庁より登録申請書類を取り寄せて審査を行います。
未了の届出事項があると、主たる事務所移転手続きの審査が中断してしまい、東京都の登録番号が発番されるまで時間がかかってしまいますので、ご注意ください。
主たる営業所を東京都内へ移転する手続きの流れ
※以下は、旅行業協会へ非加入の旅行業者様が主たる営業所を移転される場合の一例です。
A.旅行業協会に非加入の旅行業者様の営業所移転
- 類似商号の調査【東京都】
- 登記簿上の本店移転登記申請手続き
※登記簿上の本店もあわせて移転する場合 - 主たる営業所の移転
- 登録事項変更届出書の提出【東京都】
- 東京都の審査(概ね1か月)
- 新しい登録通知書の受領
- 営業保証金の保管替え手続き
- 営業保証金保管替え手続き完了の届出【東京都】
旅行業協会へ非加入の旅行業者様は、主たる営業所の最寄りの供託所へ営業保証金を供託しているかと思います。主たる営業所を変更する場合で最寄りの供託所が変更になる場合は、営業保証金の保管替え手続きが必要となります。
例えば大阪府内に主たる営業所がある旅行業者様が、東京都内へ主たる営業所を移転した場合は、大阪法務局から東京法務局へ営業保証金の保管替えを行うために、大阪法務局において手続きを行わなければなりません。
この保管替え手続きを行うためには、東京都より付与された新しい旅行業登録番号が必要となるため、この営業保証金の保管替え手続きは、東京都から旅行業登録通知書を受領後に手続きを行う必要があります。(順番に決まりがありますのでご注意ください)
B.旅行業協会に加入している旅行業者様の営業所移転
※以下は、旅行業協会へ加入の旅行業者様が主たる営業所を移転される場合の一例です。
- 類似商号の調査【東京都】
- 登記簿上の本店移転登記申請手続き
※登記簿上の本店もあわせて移転する場合 - 主たる営業所の移転
- 登録事項変更届出書の提出【東京都】
- 東京都の審査(概ね1か月)
- 新しい登録通知書の受領
- 旅行業協会への変更届出手続き
旅行業協会へ加入している旅行業者様の場合、東京都より東京都の登録番号が記載された登録通知書を受領するまでの手続きは、日本旅行業協会(JATA)又は全国旅行業協会(ANTA)のどちらの旅行業協会へ加入していても同じ手続きとなります。
しかし、旅行業協会に対する変更届出の手続きは、各協会によって多少異なります。
ア)日本旅行業協会(JATA)へ加入中の旅行業者様
日本旅行業協会へ加入している旅行業者さんは、東京都より新しい登録番号が記載された登録通知書と、東京都へ提出し受領印のある届出書類を、日本旅行業協会へ提出することにより、日本旅行業協会への主たる営業所の変更届出手続きは完了となります。
イ)全国旅行業協会(ANTA)へ加入中の旅行業者様
全国旅行業協会へ加入している旅行業者さんの場合は、東京都より発行された新しい登録番号が記載された登録通知書と、東京都へ提出し受領印のある届出書類の他に、全国旅行業協会東京都支部へ入会時に必要となる書類が必要となります。
具体的には、役員の履歴書、誓約書、直近の決算書などです。提出書類の詳細については、全国旅行業協会東京都支部へご確認ください。
東京都内へ旅行業の主たる営業所の移転手続きサポート
行政書士法人シグマでは、旅行業者様を対象に、東京都へ主たる営業所(または登記上の本店)を移転するための手続き全般を、迅速・正確に代行させていただくサービスを提供しております。
サポートに含まれる内容
本サービスには、旅行業者様の東京都内への主たる営業所移転に必要となる、下記すべての手続きが含まれています。
類似商号調査 | ○ |
---|---|
登録事項変更届出書等の作成 | ○ |
東京都へ届出書提出の際の予約 | ○ |
東京都へ届出書提出時の同席 | ○ |
東京都から登録通知書受領時の同席 | ○ |
東京都への営業保証金保管替え手続き完了の届出 ※旅行業協会へ非加入の場合 |
○ |
営業保証金保管替え手続きを代行する司法書士の紹介 ※旅行業協会へ非加入の場合 |
○ |
旅行業協会の変更届出手続き ※旅行業協会へ加入している場合 |
○ |
登記簿上の本店も合わせて移転をご希望の旅行業者様には、司法書士と連携して手続きの同時進行も可能です。ご相談の際にお伝えください。本店移転登記申請手続きが発生する場合は、司法書士が対応いたします。 |
料金について
主たる営業所を東京都内へ移転する際の料金は、概ね以下のとおりです。旅行業協会の加入の有無や、加入している場合の旅行業協会の種類に応じて、若干料金が異なります。
旅行業協会へ非加入の場合の料金
基本報酬額(税込) | |
---|---|
主たる営業所のみを東京都内へ移転 | 88,000円 |
主たる営業所と登記簿上の本店を同時に東京都内へ移転 | 110,000円 |
日本旅行業協会(JATA)へ加入している場合の料金
基本報酬額(税込) | |
---|---|
主たる営業所のみを東京都内へ移転 | 99,000円 |
主たる営業所と登記簿上の本店を同時に東京都内へ移転 | 110,000円 |
全国旅行業協会(ANTA)へ加入している場合の料金
基本報酬額(税込) | |
---|---|
主たる営業所のみを東京都内へ移転 | 121,000円 |
主たる営業所と登記簿上の本店を同時に東京都内へ移転 | 143,000円 |
基本報酬額の他に必要となる手続き費用について
上記の基本報酬額の他に、届出手続きに要した郵送費・交通費と、営業保証金の保管替え手続きや本店移転登記手続きを司法書士へ依頼した場合は費用(司法書士報酬額や登録免許税)が必要となります。
これらは概ね数万円程度ですが、より正確な額につきましては、旅行業者様の状況をヒアリングの上でお見積りいたします。お電話にて見積希望をお伝えください。
ご相談の際にご準備頂きたい書類
東京都内へ旅行業の主たる営業所の移転手続きサポートをご利用頂く際、初回にご相談頂く際は、以下の書類・資料をご準備頂けると、具体的なご相談を承ることが可能です。
- 旅行業登録通知書(写し)
- 旅行業登録申請書や登録事項変更届出書など、旅行業登録に関する提出書類(写し)
- 旅行業務取扱管理者の合格証(写し)
- 東京都の主たる営業所となる物件の所在地がわかる資料
ご相談頂く時期について
東京都への主たる営業所の移転手続きをスムーズに進めるためには、移転後の登録行政庁となる東京都のルールに則って、手続きを進めなければなりません。
例えば、前述のとおり東京都の既存旅行業者との類似商号を避けることや、移転先の営業所の構造や事務所が賃貸物件の場合は、賃貸借契約書の記載内容などに注意して進めることになります。
主たる営業所の移転後に旅行業登録の変更手続きに着手した場合、もし東京都の登録要件を満たさないことが判明すると、最悪、営業所の移転手続きが行えなくなってしまう事態も考えられます。
このような最悪の事態を避けるためにも、主たる営業所移転手続きは、実際に移転手続きを行う前から、準備や行政庁への事前確認を進められることを当法人ではお勧めしております。