東京都内で新たに旅行業(第2種・第3種・地域限定)の登録を検討される際、多くの方が一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)への入会を選択されます。
ANTAに入会することで、営業保証金の供託(最低300万円〜)に代わり、その5分の1の「弁済業務保証金分担金」で済むという大きなメリットがあるためです。ただし、この手続きを進める上で最も重要になるのが、「ANTAの入会審査」と「行政庁への登録申請」のタイミングを合わせた精緻なスケジュール管理です。
先日、ANTA東京都支部のウェブサイトにて「2026年2月」の入会審査スケジュールが発表されました。春の開業を見据えている事業者様は、逆算して準備を始める時期に来ています。
1. 2026年2月の入会審査スケジュール(ANTA東京都支部)
先日発表された2月の審査日程と書類の提出期限は以下の通りです。
- 書類提出期限:2026年1月29日(木)まで
- 入会審査日(面接):2026年2月6日(金)
※申込者多数の場合、2月9日(月)に追加開催される可能性があります。 - 場所:東京都支部事務局(千代田区四番町)
※留意事項:審査当日には、代表者および旅行業務取扱管理者の出席が必須となります。
今回の期限で注意したいのは、2026年1月28日(水)が支部行事のため休業となっている点です。提出期限の直前ですので、書類の不備等も含めて余裕を持った準備が欠かせません。
2. 営業開始は「2026年5月以降」が現実的な目安
「2月の審査を受ければ、4月の新年度からスタートできるのでは?」と考えがちですが、実際にはそう簡単ではありません。東京都知事登録の場合、申請受理から登録完了までの標準処理期間が30日〜40日と定められているためです。
この2月審査のスケジュールに乗った場合の最短モデルケースは、以下のようになります。
- 2月6日:ANTA支部審査(面接)
- 3月3日(予定):ANTA本部理事会での承認
- 3月上旬:入会承認書の発行・受領 ⇒ 直後に東京都へ登録申請
- 3月中旬〜4月中旬:東京都による審査期間(約30〜40日間)
- 4月下旬:登録通知の受領・登録免許税の納付
- 4月末〜5月上旬:ANTAへの入会金・分担金の納付 ⇒ 「供託完了届」の提出
- 5月以降:営業開始
東京都の審査が完了した時点では、まだ営業はできません。その後にANTAへ分担金を納付し、行政庁へ「届出」を完了させて、ようやく広告出しや契約締結といった営業活動が可能になります。実務上、営業開始はGW前後から5月以降を見込んでおくのが最も現実的です。
3. タイミングを逃すと開業はさらに数ヶ月先へ
旅行業登録の手続きにおいて、スケジュール管理が「肝」と言われる理由は、ANTAの入会審査が約2ヶ月に1回程度のペースで行われているためです。
もし今回の1月末の期限に間に合わなかった場合、次の審査は4月頃となり、営業開始は夏以降までずれ込むことになります。特に「春の繁忙期をターゲットにしたい」「新年度の事業計画に合わせたい」という事業者様にとって、この1月の申請期限は非常に重要なデッドラインです。
4. 確実なスケジュール管理のために
ANTAへの入会申請には、事業計画書や資金計画など、整合性が求められる多くの書類を完備する必要があります。また、並行して東京都への登録申請の準備をミスなく進めなければ、せっかく入会審査を通っても登録申請で足止めを食らってしまうリスクがあります。
行政書士法人シグマでは、旅行業専門の行政書士がANTA入会から行政庁への申請まで、全体の工程を一括してサポートしております。
「2026年春に確実に開業したい」「複雑な書類作成や日程調整をプロに任せたい」という方は、ぜひお早めにご相談ください。まずは現在の準備状況を伺い、最短で営業開始するためのプランをご提案いたします。


















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