観光法務の専門家集団、行政書士法人シグマです。
訪日外国人旅行者数は回復基調にある
JNTO(日本政府観光局)より2023年5月の訪日外国人旅行者数の推計値が公表されました。
5月の訪日外国人旅行者数は1,898,900人でした。
5月は、3月と4月の桜シーズン後の閑散期にあたる時期でありながら2019年同月比は68.5%となり、回復率では前月を上回っています。
訪日外国人旅行者数を国・地域別に見てみると、東アジア地域において韓国等からの旅行者数が増加しています。また、東南アジア・欧米豪地域では、シンガポールや米国などの複数の市場において2019年同月比を超える回復を見せているのが2023年5月の押し上げ要因になっています。
旅行業登録申請手続きについてのよくある質問
訪日外国人旅行者数が着実に回復するにつれて、当法人にも旅行業への参入をされたい事業者様より多くのお問合せを頂いております。
お問合せを頂く中で、「いつから旅行業を始められるのか?」や、「旅行業登録を取得するためにはどのくらいの期間が必要なのか?」というご相談を多く寄せられております。
旅行業登録の申請スケジュールは、
- 登録要件をどこまで満たしているのか
- 旅行業協会へ入会してから旅行業登録を申請したいのか
- 旅行業協会へ入会する場合はANTA又はJATAのどちらへの入会を希望したいの
これらの事業者様の状況によって大きく異なってきます。
従って、「いつから旅行業を始められるのか?」というご質問に対しては、「事業者様の状況や意向によって違ってきます」と回答せざる得ないのです。
2023年9月のANTA東京都支部入会審査スケジュール
全国旅行業協会(ANTA)東京都支部さんより2023年9月の入会審査スケジュールが公表されました。
- 入会書類の提出期限 2023年8月30日水曜日
- 入会審査開催日 2023年9月6日水曜日
- 入会審査予備日 2023年9月7日木曜日
入会審査予備日は、入会申込が多く入会審査日のみでは審査枠が不足する場合に、予備日に入会審査が開催されます。
ANTA東京都支部の入会審査は書類審査に加えて、入会申込をした事業者様の代表者と旅行業務取扱管理者がANTA東京都支部事務局を指定された時間に訪問し、面談を受けて頂く必要があります。2023年5月の入会審査には20社近い事業者様が申し込まれました。訪日外国人旅行者数が回復するにつれて入会審査を希望される事業者様も増えていますので、今後は予備日に入会審査が開催されることも十分想定されます。
入会申込をされた事業者様が入会審査を受けたあとは、ANTA本部の常任理事会での入会承認を受ける必要があります。入会承認を承認されると、入会承諾書が発行されます。東京都への旅行業登録申請の際には、入会承諾書を添付する必要があるため、東京都への旅行業登録申請書提出より先に、旅行業協会への入会手続きを行わなければならないのです。
2023年9月の入会審査を受けた場合、ANTAへの入会承諾書は9月末頃に事業者様のお手元に届くかと思います。
旅行業営業開始時期は2023年11月下旬
入会承諾書が届いたら東京都への旅行業登録申請書の提出となります。
もし、2023年10月4日に旅行業登録申請書類を東京都へ提出し、申請に不備がなくその日に申請が受付となり、東京都の審査が問題なく進行したと仮定すると、2023年11月2日木曜日が東京都での旅行業登録取得日となります。
東京都での旅行業登録取得日より14日以内に旅行業協会への入会金・初年度年会費と弁済業務保証金分担金を納付することで、ANTA保証社員地位取得となるとともに、旅行業営業が開始することができます。
したがって、2023年9月のANTA東京都支部の入会審査を受けて全ての手続きが円滑に進行した場合は、2023年11月下旬頃が旅行業営業の開始時期となります。
旅行業登録取得手続きは意外と大変です・・・
とはいえ、旅行業登録申請手続きは、書類を提出すれば手続きが進行するわけではありません。
旅行業登録要件の充足を前提に、登録要件を疎明する添付書面をどうするのかや、申請準備からANTA入会審査、東京都への旅行業登録申請までの申請スケジュール管理などをキッチリ行わないと旅行旅行登録申請は進みません。また、昨今は、旅行業協会入会審査自体も厳しくなってきていると耳にしております。
旅行業登録申請手続きは、申請に不慣れな方が対応すると登録取得まで1年以上かかったという事案もありました。
旅行業登録申請手続きを「なるべく早く」進めたい事業者様は、旅行業登録手続きに精通している行政手続きの専門家である行政書士を活用された方がよろしいかと思います。