観光法務の専門家集団、行政書士法人シグマです。
旅行業の主たる営業所を東京都内に置いて、全国旅行業協会へ加盟したい場合、全国旅行業協会東京都支部さんに入会書類を提出して、入会審査を受ける必要がございます。
この入会審査は概ね2ヶ月毎に実施されており、2021年7月の入会スケジュールが公表になりました。
- 入会書類の提出期限 2021年6月21日(月)
- 入会審査の開催日 2021年7月1日(木)
2021年7月の入会申込希望事業者さんが多い場合は、7月2日(金)にも入会審査を追加開催することも公表されております。
入会審査には、原則、代表者と旅行業務取扱管理者の参加が求められますので、7月の入会審査を受けられる事業者さんは、7月1日と7月2日の予定は、終日、ブロックしておいた方がよいでしょう。
入会審査後のスケジュール
入会審査が無事に完了すると、ANTA本部の常任理事会で承認を経て、入会承諾書が発行されます。
ANTAへ入会し、旅行業の新規登録申請を行われる事業者さんの場合は、この入会承諾書を新規登録申請書類と一緒に東京都へ提出します。
入会承諾書がないと、東京都への新規登録申請書類の提出が進められないので、これから旅行業の新規登録申請を行われる事業者さんは、入会承諾書が、いつ発行されるのかが気になる点ではないでしょうか。
ANTA本部の常任理事会は7月14日の開催を予定されているとのことですので、入会審査を通過された事業者さんには、入会承諾書は7月21日頃に届くかと思います。
旅行業開業時期
次に、仮に7月21日にANTAの入会承諾書が届いた場合の営業開始時期を検討してみましょう。
東京都への旅行業新規登録申請は完全予約制のため、7月26日の週に申請予約を取得し、その申請予約日に東京都に申請書類を持ち込み、申請内容に不備がなく一発で受理となった場合ですが、通常の審査スケジュールでは、8月下旬に、旅行業の登録は取得できる見込みです。
東京都から旅行業登録を取得後は、旅行業協会の入会金・年会費の納付、弁済業務保証金分担金の納付を行いますが、急ぎで全ての納付手続きを終えることができれば、2021年9月中には営業開始の準備が整うかと思います。
ANTA入会審査から東京都への旅行業新規登録申請が円滑に進行したとすると、2021年度下期が開始すると10月からは、旅行業を開始することができるでしょう。
よくご質問頂くのですが、東京都へ旅行業新規登録申請書類を提出し、審査中の期間は、旅行業の営業はできません。申請書提出完了=営業開始ではありません。東京都での審査を経て登録が下り、弁済業務保証金分担金の納付手続きが完了するまでは営業することはできません。
旅行業登録申請手続きを円滑に進めるためには
ここまでご案内したスケジュールは、あくまで、ANTAと東京都での審査が円滑に進行した場合の日程となります。
ANTAへの入会書類の提出が6月21日に間に合わなかったり、東京都へ提出した書類が不備が見つかり、再申請となってしまうと、営業開始時期はずれてきます。
本記事を執筆している4月29日は、東京都は緊急事態宣言が発令中のため、ANTAへの入会書類の提出は、持参ではなくで郵送の方法を推奨されております。
入会書類を持参した場合、書類に不備がある場合、ANTA事務局の方の指導の下、その場で修正ができるのですが、郵送での提出の場合は、書類に不備があると、修正内容のやりとりに時間を要してしまいます。
つまり郵送申請の方が、提出書類の精度が上げないと、なかなか先に手続きが進まないということです。
行政書士に旅行業登録申請手続きを依頼される場合は
行政書士に旅行業登録申請手続きの代行を依頼される場合、旅行業の分野で実績のある行政書士に依頼されるのが、事業者さんに負担なく、早く・確実に手続きを進行できるポイントだと私どもが考えております。
また、首都圏に事務所を設置されていない行政書士さんが、旅行業登録申請手続きの全国対応をHP上で謳っていらっしゃるのをお見受けしますが、ANTAへの入会書類の提出は郵送でできますが、ANTA入会審査や、東京都への旅行業登録申請書類提出時、登録通知書受取時の対応など、郵送だけでは完結できない場面が、東京での旅行業登録申請手続では出てきます。
行政書士には書類作成だけを任せて、ANTAや東京都の窓口対応は事業者さんが行われるのであればそれでも問題はないのですが、窓口対応も旅行業登録手続きの知識や経験がないと、難儀する場面が実際にあります。
東京での旅行業登録申請手続きは、書類を郵送で提出して終わりではありません。ANTAや東京都での窓口対応も肝となります。
御社の旅行業登録申請手続きの代行先の行政書士を選ばれる際は、書類作成能力に加えて、窓口対応力の有無も含めて検討されることをお勧めいたします。