2019年3月7日に開催された観光庁主催の、『ユニバーサルツーリズム促進に向けた実証事業』の成果報告会に参加してきました。
報告会の冒頭では、観光庁観光産業課の担当官より、ユニバーサルツーリズムに関する旅行会社へのアンケート調査の結果報告、ユニバーサルツーリズム事業に対する行政が実施している施策についての報告がありました。
その後、
- 地域の事例紹介
- ユニバーサルツーリズム実証事業の報告
- ユニバーサルツーリズム関係者によるパネルディスカッション
という流れで報告会が進行いたしました。
ユニバーサルツーリズムを成功させるためには、着地(訪問先)でのサポート体制の整備とその情報発信が重要となります。
とはいえ、サポート体制の完璧な整備を目指すのは現実的に難しいと思います。
地域の事例紹介で登壇された大洗サンビーチ海水浴場を誰でも楽しめるようユニバーサルビーチとしての活動を行われているZICO・足立さん(ユニバーサル・ビーチ協会代表)の事例紹介の中での
「みんなで一緒に楽しむことができるビーチにしたい」
「ユニバーサルツーリズムのターゲットは、障がいを持たれて方とその家族である」
「完全目指さなくてもよいのでは」
という言葉が突き刺さりました。
ユニバーサルツーリズムの実証事業の報告では、山形、石川、鎌倉、旭川、八重山、長崎にて実施された旅行商品についての報告がありました。
- 車いすでのパラグライダー(山形バリアフリー観光ツアーセンターさん)
- 車いすでの滝行(石川バリアフリーツアーセンターさん)
- 長崎(坂の町)での車いす観光と軍艦島上陸(長崎バリアフリー推進協議会さん
などの実証事業を伺って、
「行けない」→「行けた!!」
にするユニバーサルツーリズムの社会的意義の大きさを意識いたしました。
ユニバーサルツーリズムを推進するためには、ハード面だけではなくソフト面の整備が重要になってきます。ソフト面では、特に人材育成や急病の際に対応できる医療体制の確保などが必要になると考えます。
また、事業として行うためには、採算性の確保も喫緊の課題です。どんなに素晴らしいサービス、ユニバーサルツアーであっても、採算を確保できないと継続して提供することができないからです。
このような課題に対しての解決策を提供できる観光地や旅行会社が、今後、この分野の先駆者となるのではないでしょうか。